大へ
お前さんは、
媚びなかった。
動じなかった。
孤高を気取らなかった。
寄り掛からなかった。
けれど。
大よ。
お前さんには、
もっと、
寛いで
風の音や
窓辺の光の波や
暖かい団欒を
用意してやろうと
家人はどんなにか楽しみに
張り切って
食器やカゴやあれやこれやを
事ある毎にあつらえたのだよ。
大よ。
また会うことがあったら
その時には
本当に寛いで
春の日差しの中
車座になって
楽しもうな。
またいつか帰っておいで。
きっとどこかで会えるよな。
その時まで
ちょっとの間
さようなら
ごきげんよう。
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